当院の小児歯科治療について

いきなり治療は始めません

小児歯科治療イメージ

お子様の多くは「歯医者さんは怖い所」という風に思っているのではないでしょうか。これは、治療での痛みというよりは(当院では極力痛みを抑えた治療行っています)、これからどんな治療受けるのか、よくわからない状況におかれてしまっていること、いわばコミュニケーションが良く取れていないことに一因があると考えています。

そこで当院ではお子さまが受診された時は、いきなり治療は始めません。まずはお子様とじっくりと会話をし、コミュニケーションをとっていきます。それにより歯科医院に慣れてもらうことから始めます。

また、どんな器具を使ってどんな治療するのか、ということを前もって知ってもらうことで、不安を解消し、怖さを取り除いていきます。そのためにまず、治療を始める前に、この器具はどのように使うのか、どんな役割があるのか、などをお話ししながら、実際に触ってもらうなどもして、機械に慣れてもらい、安心して治療が受けられる環境を作ってから、治療を開始します。

リラックスして治療を受けられます

お子様になるべくリラックスしてもらえるよう、当院では治療の際、女性スタッフが付き添います。最初は治療を怖がっているお子様も、みんな笑顔になるようです。また小さなお子様もお連れの場合、ベビーカーのまま診察室に入られても構いません。親御さんもお子様も、安心です。

お子様の歯を守る小児歯科メニュー

シーラント

シーラントイメージ

奥歯の溝を、薄いフッ素が入ったプラスチックで覆うというのがシーラントと呼ばれるもので、虫歯予防法の一つです。奥歯の溝は複雑な形状をしていますので、毎日丁寧に歯磨きをしているつもりでも、ブラッシングが届かない部分も生じてしまい、虫歯になってしまうケースは少なくありません。そのためシーラントでしっかりと奥歯の溝を塞いでしまえば、その溝から発生する虫歯のリスクを抑えることができます。

フッ素塗布

フッ素(フッ化物)の効果

フッ素(フッ化物)イメージ

フッ素とは自然元素の一つですが、歯のエナメル質を強化し、虫歯に関わる菌が出す酸に負けない歯を作るなど、歯質を強くする効果が期待できます。紅茶や緑茶、いわし、りんごといった食品にも含まれるものです。このフッ素を効果的に使うことで、虫歯になりにくい抵抗力の強い歯にするとともに、虫歯の進行を抑制します。

フッ素を塗布すると…
  • 歯の再石灰化を促進します。
  • 虫歯菌が酸を作り出すのを抑えます。
  • 歯にフッ素が取り込まれ、虫歯菌の出す酸に強い歯になります。

お子様をはじめ、こんな方におすすめです

生えてきたばかりの永久歯は未熟のため虫歯になりやすいとされています。乳歯と永久歯の生え替わりの時期のお子様はフッ素塗布を行うことで効果的な虫歯予防を行うことができます。

歯がフッ素を吸収しやすいのは15歳ころまでと言われており、この時期は強い歯を作るためには大切な時期となりますので、15歳までのお子様にもフッ素塗布はおすすめです。

また、お子様のほか、虫歯になりやすい方、知覚過敏で歯が沁みる方、歯茎が下がって根面が露出してしまっている方などにフッ素塗布は有効です。

虫歯の前段階では、細菌が生成した酸によって、「脱灰」と呼ばれる歯の成分が溶け出す現象が起こります。フッ素は「再石灰化」を促進することで、虫歯に至る予防、また初期虫歯の自然治癒の効果が期待できます。

小児の定期健診

当院ではお子様の定期健診を行っています。定期的な歯の健診は将来的に自分の歯をより多く残す上で、非常に大きな要素となります。健診の主な内容としては、虫歯予防および歯並びや歯周病の確認です。これらを定期的にチェックすることは、虫歯や歯の病気の発症や再発を防ぐことにつながり、口内を健康な状態に保つためには欠かせません。また万一異常が発見された際も、すぐに治療が行えることで、軽微な段階ですむことが期待できます。

お子様の歯を守るためにも、2ヵ月に1回の定期健診の受診を、保護者の方にお願いします。できましたら、月1回のフッ素による予防をお勧めします。

小児の定期健診画像

小児矯正

小児矯正イメージ

お子様の発育期になると、上手くかみ合わせができなくなることがあります。これは顎の発達に関わっており、この段階で矯正しておかないと、成人になってからでは治療が困難になってしまう場合がありますので、注意が必要です。

小児矯正が大切な二つの理由

理由その1 不正咬合の原因を取り除くことが可能

乳歯が何らかの原因で早く抜けてしまった場合、抜けた部分に周囲の歯が移動してしまった結果、歯並びが悪くなることがあります。その前に適切な処置を行えば、将来的にかみ合わせが悪くなること(不正咬合)を予防することができます。

理由その2 顎の成長をコントロールすることが可能

お子様(3~12歳)のうちは、まだ顎が成長段階で顎の骨がまだ柔らかい時期のため、好ましくない方向への成長が予測される場合には、その抑制を行ったり、成長が不足しているとみられる場合は、成長を促したりとコントロールしながら矯正することができます。可能な限り歯を抜かずに治療したいという場合も、その確率が高まります。

妊婦の方の歯の健康について

虫歯や歯周病の赤ちゃんへの影響

虫歯や歯周病の赤ちゃんへの影響イメージ

赤ちゃんの虫歯予防は「マイナス1歳から」と言われています。これはお母さんのお腹の中にいるときから始まっているということです。

妊婦の方は、「つわり」によって歯磨きがおろそかになったり、食事が不規則になったりすることでオーラルケアがしっかりできず、虫歯になりやすい状況となっています。また妊娠中は女性ホルモンの関係で、歯肉炎になりやすいとも言われています。虫歯や歯周病になってしまうことは、胎児の段階でも、また生まれてからも、赤ちゃんに大きな悪影響を与えてしまいます。

たとえばお母さんが重い歯周病にかかっている場合、歯周病関連細菌は血管に入り込んで赤ちゃんの発育を阻害したり、子宮収縮を起こして早産・低体重児出産を引き起こしたりする危険性があります。また出産後も、お母さんが虫歯になっていると、虫歯に関わる菌を、同じスプーンを使ったり、スキンシップをしたりすることで赤ちゃんの口に移してしまう場合があります。するとお子様が将来虫歯になるリスクが高まります。

妊娠中は定期健診を受けることをおすすめします。

赤ちゃんとのスキンシップを安全に行うためにも、食後などの歯磨きを丁寧に行うことはもちろん、歯科医院でクリーニングを受けることも大切です。また、定期健診を受けることもおすすめします。歯科検診では、以下のことを調べ、治療が必要な場合は、適切な処置を行います。一般的に、妊娠中は3ヶ月に1回は定期検診を行った方がいいとされています。

虫歯や歯周病の赤ちゃんへの影響イメージ

虫歯の有無について

症状が出ているものだけではなく、自分では気づかない初期段階の虫歯がないかどうかも調べます。以前治療した部分で、銀歯と自分の歯の隙間に虫歯が生じていないかなど、細部にいたるまでしっかりチェックします。

歯石の有無について

歯周病を進行させてしまう歯石に関し、歯と歯の間や歯の裏に歯石がないかどうか、小さなミラーなどを使って調べます。

歯茎の炎症について

歯茎が赤くなっているなど、炎症を起こしていないかどうか確認します。炎症の原因としては、妊娠によるホルモンバランスのくずれ、歯の磨き方によるもの、歯石の付着状況に関係したものなどがあります。